文教大学大学院 人間科学研究科

「人間愛」-私たちが最も大切にしていること

研究科長 挨拶

本学の「人間科学部」は、私立大学で全国で初めて1976年に設立されました。そして、さらに高度な学びを続ける場として1993年に大学院人間科学研究科(修士課程)が、2000年には臨床心理学専攻に博士(後期)課程が設置されました。文教大学人間科学研究科は、人間性の絶対的尊厳と生命の尊厳を重視する本学の建学の精神「人間愛」を基盤とする豊かな人間性を育てながら、人間科学の学際性を活かした学びを修得し、社会に貢献できる専門職や研究者の養成を目標としています。

最近のニュースを見ても、世界は急激に変化しています。環境問題や社会の分断といった課題に対しては、単なる技術的解決だけではなく、人間の意識や行動の変容が不可欠であることが明らかになっています。こうした問題を深く理解し、よりよい社会を構築するためには、人間科学の視点がこれまで以上に求められています。皆さんの研究が、社会のさまざまな課題に対して新たな光を投じることを、私たちは期待しています。

臨床心理学専攻は、公認心理士国家試験受験資格や臨床心理士受験資格を得るカリキュラムを整えています。その合格率はいずれも例年、全国平均を大きく上回る90%以上の高い水準を維持しています。本研究科は付属臨床相談研究所を設置し、優れたスーパーヴィジョン体制を整えて臨床心理学専攻の院生に臨床実習の場を提供しています。人間科学専攻は心理学、社会学、 教育学、社会福祉学、文化人類学などの多様な専門領域から人間を探究する研究を行います。具体的には人間の心身の健康、人間生活の向上と発展、地域の様々な問題解決や地域活性化などを目指す研究を行い、企業、行政、教育など多様な場で活躍できる専門性を有する人材育成を目指しています。

本研究科はそのような学びを実現するために、多様な学問領域で優れた研究と実践の実績を積んできた教員で構成されています。そして何よりも2つの専攻は学びのうえでの垣根が低く、学びたいという希望を有する院生全員に常に門戸は開かれています。みなさんは是非、在学中に積極的に多くの教員や他の院生と対話をし、多くの学びの機会を得てください。皆さんが本学人間科学研究科においてそれぞれの目標を達成するべく研鑽を積み、さらに成長?発展されることを期待しています。

臨床心理学専攻

臨床心理学専攻では、以下のことを教育?研究理念としたカリキュラムを整え、指導にあたっています。
■修士課程においては、心理学及び臨床心理学の学識を身につけるとともに、臨床体験によって習得した臨床技能及び臨床を踏まえた研究を通じて、高い専門性と豊かな人間性を備えた心理臨床家を養成すること。
■博士後期課程においては、一層高度の研究?学識?技能を通じて、臨床心理学領域における自立した研究者及び心理臨床家の指導ができる高度専門職業人を養成すること。

真の実力を身につけた臨床心理士を養成
私たち臨床心理学専攻は、臨床心理士養成のために以下のことを重視します。
1.考える力を育み、心理臨床の基礎力を涵養すること
2.医療?教育?発達?福祉?産業などさまざまな領域で求められる知識?技術を伝えること

特色
1.専任教員による幅広い領域の授業カリキュラム
現場経験豊富な教員や、研究者として実績を重ねている教員が、バランスよく配置されています。基礎的な心理学や研究指導も、よき臨床家となるために重視します。
2.医療系を中心に教育?司法施設での充実した実習先
M2になると、実習を受ける機会があります。本大学院では、病院やクリニック、司法相談施設などを中心に多様な臨床施設と協力関係を結んでいます。大学病院や私立の精神神経科病院、クリニックなど多彩な医療機関などで継続的に実習を行なう外部実習と、学内の臨床相談研究所で、ケースを持ち指導を受ける内部実習があります。
3.スーパービジョン?ケースカンファレンスの充実
実習指導のスーパーバイザーとして、現場の実務家を多数登用しており、少人数グループで、スーパービジョンを毎週2回受け、授業内のカンファでも検討する機会があります。また、必要に応じて教員が個別にスーパービジョンを行ない、充実したスーパービジョン体制をとっています。

専攻長からのメッセージ
鍛冶美幸(臨床心理学/専攻長)
 臨床心理学専攻は、公認心理師?臨床心理士資格試験に対応した充実のカリキュラムを通して、心理療法の理論や実施法、臨床心理学的研究法について学ぶことができます。教員はいずれも心理学や臨床心理学のエキスパートです。授業や研究指導、実習指導を通して皆さんの学びとさらなる成長を応援します。修了生はスクールカウンセラー、児童相談所、教育相談所、医療機関、公務員など、様々な場で活躍しています。

傷ついた人の心を癒すには、真摯に寄り添う強く優しい誰かの存在が必要です。そんな誰かになるために、一緒に歩んでいきましょう。

人間科学専攻

人間社会の発展を支える人材を養成
私たち人間科学専攻は、人間科学に基づいた人材の養成のために以下のことを重視します。
1.広く人間に関する諸科学に目を向けて総合的?学際的でより高度な専門知識を身につけること。
2.心理学、社会学、社会福祉学などさまざまな領域で求められる知識?技術を伝えること。

特色
1.専任教員による学際的で充実した授業カリキュラム
豊富な経験と研究者として実績を重ねている教員が、バランスよく配置されています。基礎的な心理学や研究指導を通して、幅広く活躍できる人材を養成します。
2.「人間科学特論」を基礎において人間研究のための協創を目指す
幸せでより充実した人生を送ることができるために「心身の健康」について探求していきます。 健康な生活を基盤とする人間生活の向上と発展をめざす学習を進めていきます。
3.少人数制に於ける研究指導の充実
学生は、自らの研究計画に基づき、幅広い関連研究領域の指導教員による充実した指導を受けます。 一方的な学習方式とは違った、人間科学専攻ならではの幅広い横断的な学習が可能になります。

専攻長からのメッセージ
青山鉄兵(社会教育学/専攻長)
人間科学は、1つの学問領域であると同時に、人間を中心に据えた総合的、学際的、実践的な学問のあり方を目指すスローガンでもあります。こうした視点は、心理?教育?福祉などの分野にとどまらず、現代社会のあらゆる領域で求められているものといえるでしょう。本専攻で培った知識や経験を活かして、多様な分野で活躍している卒業生がたくさんいます。皆さんと一緒に、人間科学的な探究ができることを楽しみにしています。

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